古くから存在したガラスとその歴史

ガラスは石器時代から包丁の一部として使用されていたほか、紀元前4000年頃にはエジプトなどでシリカが利用されるなど歴史は古く、昔から人間の文明と深い関わりを持っていました。

紀元前1世紀頃には、高温で融解したガラスを吹き竿から息を吹き込んで形どる、宙吹きという技法により多くのガラスが生産され、人間の生活に溶けこむようになっていきました。

5世紀頃のシリアでは、ガラス球を平板にすることで板硝子が作られるようになり、8世紀に入ると西ヨーロッパでも製作されるようになるなど、徐々に世界各地へと広まっていきます。

17世紀には、原料にチョークや酸化鉛を混ぜあわせることで無色透明な製品が製造され、その後アメリカへも広まっています。20世紀には、自動ガラス吹き機の開発やフロートガラスの開発により、板硝子の大量生産が開始されています。現在は、重合反応と加水分解によって製造するゾルゲル法が主流となっています。

日本へは弥生時代に伝わったとされ、遺跡も発見されています。8世紀頃には原料が製造されるようになったほか、16世紀のフランシスコ・ザビエルの来日により、ガラス製品が広く普及しました。19世紀の初めには、江戸で大量生産が開始されるなど、一時期に産業の発展が見られました。